【春菜の家出】C
続く
歯止めがないということは、その怖さもわからないということだから。
様々な障害があって、それでもなお家出をしようとするほどのことがない限り、家出はしない方が良い。
親権というものはとても強大なものだ。
………実際には、児童相談所といえども、なかなか手出しはできない。
虐待が行われていることが分かっていても、なかなか手出しができないほど親権というのは強いものだ。
だからこそ、それを行使する親には子育てについてきちんと考え、責任ある態度で養育してもらいたいと思うが、実際にはそれができない親も多い。
本来ならば、そこを調整し、子どもを守るのが児童相談所などの公的機関だと思うのだが、いろいろな理由があって必ずしもうまく機能していない。
春菜には家出について、俺は意図的にその危険性を誇張して伝えた。……できるだけ危険な状況に置きたくなかったからだ。
親元を飛び出した女の子を待っている様々な誘惑と危険。
援交などの売春まがいのことで収入を得るのは論外だが、「女であること」を売りに男におごらせる、なんていうのもやはり危険だ。世間知らずの高校生を引っかける、なんていうのはある程度女の扱いを知っている男にとっては簡単なものだ。
そうでなくとも、安易に収入を得るということは、その陰に隠れた危険も大きいんだ。
そうでなかったら、誰も苦労して働いたりしないよ。
春菜と同じようなことを考えている人がいたら、衝動的に飛び出す前によく考えるんだよ。