[美穂のDIARY]
入試の3日前…ふとtelに手をかけた。回したnumberは、何故か彼の家であった。1回…2回…とcallするたびに、心臓がドキドキして、昔のことを思いだした。
懐かしい声だった。なんか、ホッとした。それにしても、久しぶりの会話だった。私は、そのtelのなかで、明日会って自分の気持ちを伝えようと思った。別れてから4ヶ月……も経っていたけれど、変わらない自分の気持ちを。 (徹の気持ちがどうであろうと私には関係ないって思っていたけれど。)それで、「明日会える?」って聞いてみた。向こうもウーンなんて言っていた。でも、そのあとで「アッ、でも話しによっては会いたくない」って言った。二人の間に沈黙が統いた。そして、 「二人とも傷つくことになると思うよ。それに、オレの気持ちは手紙に書いたとおり、今もかわらないよ。それに、そっちはもうテスト前なんじゃない?」
telのこっちで聞いていた私は、止まらない程の涙を流した。泣いちゃいけない、どうしてなくんだよおと思った。あなたの気持ちを聞こうと思ったんじゃないはずよ。しっかりしなきゃ!そして、「ちがうの」って言った。私には、それで精―杯だった。
「何がちがうの?何が聞きたいの?」
「………。」
「でもオレわからないよ。きちんと言ってよ。」
私は、涙が出てきて、喋ろうと思っても言葉にならなかった。落ち着こう、落ち着くんだ、そう自分に言い聞かせた。向こうもそんな私の気持ちに気づいてくれたみたいだった。
「あなたの気持ちを聞こうと思ったわけではなかった。ただ私は、自分の気持ちを伝えようと思っていただけだった。」
「何となく分かっていたよ。美穂の気持ち、Kから聞いていたんだ。」
私は、自分の気持ちを誰かに言っていたわけではなかった。Kに聞かれたこともあった。でも、私は違うよって言っていた。だから、自分の気持ちは誰にも伝わっていないはずだったけど…。隠していても分かってしまうものなのかナァと思った。それとも、それだけ私はアイツのことが好きだったのかなあって。
その日はそれでtelを切った。でも、もうすっきりした気持ち、すがすがしい気持ちだった。何故だか分からなかったけど、おかげでしっかり試験を受けることができた。
「試験に受かっていたら、telするから」
そういったものの、試験に受かっていたことが分かってからも、徹にtel することはなかった。私の彼に対する恋は、本当に終わったのだった。
人が人に恋をするってことは、命がけだったりする。自分自身がどうなってしまっても、相手のために尽くしたりする。でもその恋が正しいものだったのかどうかは、終わってみなければわからない。いや、終わってみても分からないかもしれない。でも、私はその時に精一杯相手を好きになれれば、いいんじやゃいかなあと思っている。曲がった恋も、まっすぐな恋も、それは自分にとっては、最高の恋なのだと思う。
End