【まりちゃんのかたおもい その後】

まりちゃんから半年くらい連絡がないなあって思っていたら、友達から消息が伝わってきた。
新しい彼ができたという。
前に言っていた松原さん(もちろん仮名)かなあと思ったら、違うらしい。
まりちゃんは女子大でサークルの代表をしている。
大会などもあって、忙しいらしい。
バイトもしているから、時間も思うようにならない。
それなのに、新しい彼はまりちゃんの都合に関係なく「会いたい」と言ってきて、まりちゃんを困らせるという。
そして、まりちゃんは苦労して彼のわがままを聞いているという。

まりちゃんは、いわゆる「つくすタイプ」だ。
こういう子は、人格的に未成熟な男とつきあうことがある。
男のわがままを聞き、自分がつくすことで自分の愛情を確認する。
……男にとっては、とても都合の良い相手だ。
でも、本人たちがそれでもいいのなら、それもつきあい方の一つのパターン。まわりでとやかく言うことではない。

だから、俺が友達を通じて「今のつきあい方には賛成できないよ」っていうメッセージを伝えたのは、そんな理由じゃない。
まりちゃんが、松原さんのことを忘れられないまま今の彼とつきあっているって聞いたからだ。
松原さんはまりちゃんを受け入れてくれない。
だけどまりちゃんは諦めきれない。………それはそれで仕方がない。
まりちゃんが諦めるか、いつか松原さんがまりちゃんを受け入れるか。その決着がどっちになるにしろ、いつかは結論が出るだろう。それはそれで良いのだけど、その思いを引きずったまま他の男とつきあうのは良くない。
それはそれで割り切ってつきあえる子もいるのだろうが、まりちゃんはそうではない。
まりちゃんは松原さんの代償として今の彼とつきあっているにすぎない。
そして、彼のことを(間接的に)聞く限りでは、まりちゃんにとって良い相手とは言えないようだ。

漂流者」にも書いたが、まりちゃんの心は漂流してしまっているようだ。
いちど、自分というものを見つめ直して欲しいのだが、とりあえずの暖かさにしがみついてしまったまりちゃんにそれができるだろうか。

「まりちゃんは変わってしまった」って友達が言っていた。
まりちゃんのようなタイプは、どこかで自分を支えてくれる相手を待っている。代表としてサークルの中心になっているときは頼もしく見えるのかもしれないが、どこかで壁に突き当たったとき、男の腕の中に包み込まれたいと思うのはまりちゃんだけではないだろう。
そこに都合良く男が現れたら、とりあえずしがみついてしまう。そんな心の隙をつかれることはあるものだ。そして、その暖かさを知ってしまうと、いろいろな苦労があっても、なかなか離れられなくなってしまう。

友達を通じてメッセージは伝えたが、今のところ俺はそれ以上動くつもりはない。
どんなつきあい方をしようと、それは本人たちの問題。本人から相談されてもいないのにメッセージを伝えるっていうだけでもよけいなお節介。
あとは本人がどうするか。
俺のところに話に来てくれれば良いんだけど………って思ってはいるんだけどね。

 

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